カントと言っても哲学者の話ではありません。
鉄道のカーブで見られる、内側のレールと外側のレールとの高低差のことです。
この高低差がないと、列車は外側に働く遠心力によって、カーブから飛び出てしまいます。
高速でカーブを曲がるためには、必ず必要なものです。
JRの場合、カント量は最大105mmと決められています。
ちなみに、新幹線は高速運転のため最大200mmとなっています。
もちろん、これは最大であって、カーブや制限速度によって計算されたそれ以下の適正なカント量となっています。
これをNゲージの模型ではどう表現するかです。
11番目のセクション~Nゲージレイアウト製作記10~でも少し書いていますが、あたらめて私の方法を紹介します。

KATOよりカント付き線路が発売されていますが、規格が制限されていてまだまだ使いやすいとは言えません。今年の9月にはTOMIXでも発売されるようですが、使いやすいものであればと期待はします。しかし、それを待っていられないので、自分でカントをつけることになります。
その私のやり方は非常に簡単で、単純な方法です。
まず、Nゲージでのカント量を決めます。
JRでは、線路幅1067mmに対して最大105mmですから、
Nゲージの縮尺(1/150)にすると、105/150=0.7mm。
また、線路幅を基準で考えると、105*9/1067=0.886mm。
よって、Nゲージのカント量は、0.7~0.9mmくらいの間が適正っぽい値と言えます。
このカント量をだすために線路を傾けるスペーサの厚さを考えます。
TOMIXの線路の道床の幅は、18.5mm。
線路幅9mm幅0.7~0.9mmのカント量とすると、道床全体を傾かせるスペーサの厚さは、
(0.7*18.5/9=)1.44mm~(0.9*18.5/9=)1.85mmとなります。
その間の切りのいい値として、1.5mmをスペーサの厚さとしました。

スペーサは、0.5mm厚のボール紙を三枚重ねて作ります。
大きさは、40mm×4mmとしました。
次に、そのスペーサを入れる手順です。
まず、平面にカーブ線路を固定します。
固定方法は、部分的に両面テープで貼り付けて、その後に、線路の内側の道床とベース部分に木工用ボンドをコーキング材のように塗布します。
木工用ボンドが乾くと、線路の外側の道床とベースとの間にカント量の厚さのスペーサを挟み込んでいきます。内側は木工用ボンドでベースと固定されていますので、スペーサを入れればきちんと傾きがつきます。
仕上げは、道床、スペーサ、ベースに木工用ボンドを塗って固定します。

これでできあがりで、車輌の傾きは写真のような感じになります。
もう少し傾いてもいいかなと思いますが、あまり無理をすると、線路がねじれた感じになる部分が出てきて安定した走行に支障をきたしますので、このあたりがいいところかなと思っています。そんなに難しくない方法ですので、カーブを曲がる車輌を楽しむためにも、ぜひカントはつけたいものです。
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