平日の休日で何もすることもなく台風も近づいていて暇なので、巷で言われている(と言っていますが、どれだけ言われているかはよくわかりませんが・・・(^_^;))KATO381系「しなの」の前面の実物との差異について、何がどこまで違うのかよく知るためにいろいろと資料を調べていました。
調べてみれば、模型ですからね、実車と違う部分はかなり見つけることができます。
巷で一番言われている貫通扉の上部は明らかに高さ不足です。
すべてを1/150スケールで作れればいいのですが、どうしてもライトの縁みたいにオーバースケールにせざるを得ない部分がありますので、ライトまわりの赤帯と貫通扉との距離も狂ってきています。
ライトまわりのヒゲのクリーム部分は、実車にくらべてかなり太いです。
貫通扉の留め金具は、実車に比べるとかなり細いです。位置も異なります。
正面から側面へのR形状が、模型は正面が平べったくて角が角ばりすぎです。
側面のふくらみは、実車の印象よりもやせていて、裾の絞りが明らかに少ない。このあたりは、スケールどおりに製作したためにその印象が弱くなっているようにも感じます。こういうところこそ、特徴を際立たせるために適切なデフォルメが必要なのかも知れません。
クルマの模型製作でもよく言われたことですが、実車の寸法を厳密にスケールダウンしても、実車を見た印象がそのまま模型では出ないといいます。それは、人間の眼球の大きさと実車の関係が、模型では成り立たないから当然のことです。正確な縮尺の模型を残すか、実車を見た印象をうまくデフォルメするかは、模型製作者の考え方やセンスの問題になります。
今回のKATOの381系が381系に見えないという人は、貫通扉の高さが正確であれば381系に見えるのか、赤帯が正確であれば381系に見えるのか、そもそも断面形状や、正面から側面へのR形状が違うので381系に見えないのか、そこは人それぞれなので個々人で検証する必要があると思いますね。
まぁ、そんな結果ですが、私の結論は、調べた結果をもってしても、
KATO381系はやっぱり381系にしか見えないということは変わりませんでした。これは、模型を見る目があるかないかとか、細部の観察力があるかないかとか、そういう問題ではないと思います。381系の特徴や印象を、各人がどこに持っているか、それだけです。貫通扉の高さで381系の特徴を感じていた人は、KATOの381系は絶対に381系に見えないでしょうし、そういうところに特徴を見出していなかった人は381系に見えることに何の影響もないでしょう。
どちらも正解。人の数だけ正解があるということです。
ただし、381系に見えるかどうかは別にして、製作者が「多少違っていても381系に見えるからいいだろう」とか思っているとすれば、それは、製作者の誇りやプライドを捨てていると言えるかも知れません。以前のKATOは、発売時期が多少遅れてもきちんとした製品を出すというのに重きを置いていたのに比べ、今は発売時期を守るとか新製品を出すとかビジネス優先の仕事になっているのかも知れません。設計者はきちんとしたものを作りたくてもそれを許さない社内状況にあるのかもしれません。推測ですから正しいかどうかはわかりませんけどね。
古くからの鉄道模型趣味人としては、完成品なんて、手をいれる素材を提供してくれているくらいにしか思いませんので、実際のところは今回のようなことはどうでもいいんですけどね。似ていないところや間違っているところを直して、自分だけの特注品を持つことが醍醐味であり楽しみであると思っていますので。
KATO381系の考察はこれで終了。(^.^)
 鉄道模型趣味1975年4月号記事 左:折込381系模型図面 右:投稿作品 |  クハ381正面 左:KATO+実車 右:鉄道模型趣味1975年4月号模型図面 (Wikipedia 381系のGNUフリー文書内画像使用) |
 前面のR形状 上:KATO クハ381 下:鉄道模型趣味1975年4月号模型図面 |  実車の前面R形状 (まつ様のブログより借用) |
 実車写真 (Wikipedia 381系のGFDL画像使用) |  KATOクハ381 |
上記写真のうち、実車写真はネットで公開されている写真を使用させていただきましたが、問題がある場合はご連絡ください。すぐに対処を致します。
<2011.9.3追記>
ネットで公開されていた写真画像、およびそれを使った画像を削除いたしました。
削除の経緯はコメント欄をご覧ください。<2011.9.6追記>
ネットで公開されていた写真画像の持ち主の方がわかり、掲載許可を頂きましたので、画像を再アップしました。また、再利用に問題の無い画像を使ったものについても再アップしました。
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